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自治体人事評価制度の課題と評価者研修3 「目標管理がうまく機能するか?」

NOMA行政情報 No.37 2008年7月1日

目標管理がうまく機能するか?

目標管理の手法を活用し設定目標の達成状況等を点数化して業績評価とする自治体が多いようです。しかし、目標管理の手法のみで業績評価を決めてしまうのではなく、業績をより広くとらえる工夫も必要です。なぜなら、自治体の場合、次のような実情を考えておく必要があるからです。

(1) 目標設定外の業績が評価されない。

本来、目標とは、その人の役割責任を遂行するあらゆる行動が、ひとつの成果として集約され、その成果がその人の仕事ぶり全体を測る指標として納得性のあるものとなっていることが理想です。しかし、自治体の場合には、1人で多様な業務を担当し、それぞれの業務に目標を設定することが多くなります。そのため、3~4の目標だけでは、その人の全体の仕事を評価することにならないといった状況になりやすい。

(2) 事後的に把握せざるを得ない業績がある

目標を設定するには、前もって課題等が明確であり、到達点も具体的にイメージできることが必要です。しかし、仕事の中には、事前には予測が難しく事後にならないと業績がつかめないものがあります。
例えば、突発的な緊急事態への対応実績は事前に目標として設定できません。また、研究開発や斬新なアイデアなどは後になってその価値が分かることが多いですし、遂行した仕事の量なども事前の目標設定には適さず、事後に評価することになります。

(3) 個人目標の設定がなじまない職務がある

例えば、救急、消化活動にかかわる消防隊員、給食センターの調理業務などは、お互いに連携し協力し合って業務を遂行する傾向が強いために、チームの業務目標は設定しやすいのですが、それを個人単位の業務目標に落としにくい実態があります。

また、学校の教員、保育士、福祉施設の支援員や指導員などの職種では、本来働きかける対象は一人ひとり異なるために、目標を具体的に表現できず、達成の判定が主観的なものになりやすくなります。また、現場では様々な活動を行うために、それぞれの活動を取り上げた細かな業務範囲の目標になることが多くなります。

このように見てくると、自治体の場合、仕事が多様であるために、一つの方式で統一するとうまくいかない職場が出てきます。最近は、目標管理を基本にしながら、目標設定外の領域も評価する自治体、事後評価を組み合わせる自治体、一般職員や特定の職種には目標管理を使わない自治体もあります。