人事評価Q&A

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評価制度設計に関しコンサルティングを受けたいのですが、「他団体の事例を用いればよい」と言われてしまいました。コンサルを受けるメリットを教えてください。

1 他団体の事例を活用する際の注意点

他団体の事例を"参考"にするのであれば、むしろ良いことだと思います。様々な評価の仕方があることが分かりますし、最も適した制度を撰ぶ過程を通じて、自己の人事評価制度の考え方を整理することにもつながると思うからです。もちろん、制度設計の時間短縮にもつながります。

しかし、十分な吟味をしないままに他の団体の設計をそのまま取り入れてしまうと、次のような問題が発生しやすいと考えられます。

  • 自治体の考える目的との不一致、組織の実情との適合性の問題等が発生しやすく、首尾一貫性のない、あるいは運用しにくい制度になりやすい
  • 事例のどこに問題があるか気づかず、他団体の制度上の問題点も取り込んでしまう
  • 設計作業にかかわっていないために、どうしてそのような設計、基準となっているのかなど理解が足りず、多様な質問、問題点の指摘等に対して、適切な対処ができない
  • どのような運用の仕方を想定していたのか分からず、または設計と運用面の一貫性が保てず、制度に関する信頼性が低下しやすい
  • 複数の他団体の良い面のみを組み合わせると矛盾だらけのシステムになりやすい

2 コンサルタントの支援を得るメリット

本来、制度設計にかかわるコンサルタントの責務は、コンサルタントがいなくても制度を適切に運用できる状態にすることです。

コンサルティングを依頼する側もついつい人事評価シートはできたか、マニュアルは完成したかなど、成果物に着目してしまいますが、実際には専門書を読んでも得られない多様な経験、情報、ノウハウが得られることがコンサルタントを活用する最も大きなメリットだと考えます。

コンサルタントを活用するメリットを整理してみました。参考にしてください。

  • 期限までに間に合うよう計画的・効率的に作業を進めることができる
  • 多様な評価方法、制度設計、運用の仕方等に関する専門的知識を活用できる
  • 市の要望や考え方、組織の実情等に適した評価制度の設計ができる
  • 企業、他団体の多様な事例、経験、運用実態その他の情報が得られる
  • 職員の不安感への対応、導入の進め方のコツなど、円滑に導入するためのアドバイスが得られる
  • 多様な問題の発生や職員からの指摘等に関して適切な対応策がとれる(適切な判断が得られる)
  • 制度設計の進め方、運用実務の詳細など、コンサルタントのノウハウを吸収できる(人事担当者の育成につながる)
  • 制度設計後であっても、人事評価シート、マニュアル等を見れば制度設計上の問題点や注意点について指摘を得られる(実際に、制度設計後にアドバイス業務のご依頼があります)
  • 通常は、制度設計にかかわったコンサルタントが職員研修も行うため、制度に関する正しい理解が得られやすく、また、制度にあわせた実践的な評価スキルの取得ができる
  • 人事担当職員の設計等にかかわる労力が大幅に縮減できる

なお、公務員には多様な職種(医療職、保育士、教諭、消防職員、技能職など)があるため、それぞれの職務の実情に合った評価方法、評価基準等を採用しなければなりません。そのことが自治体の評価制度設計を難しくしている大きな要因になっています。自治体経験豊富なコンサルタントであれば、これら専門的職種の皆さんにも納得いただけるよう設計を進めることができるでしょう。