人事評価Q&A

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| 職種別に能力評価の基準を作り人事評価を行っている団体がありますが、そうなると担当している仕事によって評価される中身が変わってきますので、全体からみると不公平なようにも思います。どのように考えたらよいでしょうか? »

いくつかの着眼点を評価すれば、評価項目の5段階が自動的に決定する方式を採用していますが、評価者から「着眼点以外に評価すべきことがあってもこの方式だと反映できない。」という指摘がありました。現在の方式を変更すべきでしょうか?

 お話の方式は「着眼点列挙方式」であると思います。
 「着眼点列挙方式」とは、ひとつの評価項目を評価する際に、着目すべき複数の行動事実を列挙しておき、その行動事実の評価をもとに、評価項目の評価を決める方式です。仮に評価項目が「情報収集と活用」としたときに、例えば、次のような3つの着眼点を設定しておきます。

 評価項目 「情報収集と活用」
 1.新しい職務知識や情報に強い関心を持ち広く情報を収集している
 2.知識・情報を業務改善や日常の職務の遂行に活用している
 3.他の自治体の動向、関連部門の最新情報などを常に把握している

 そして、この3つの着眼点をそれぞれ、例えば3段階(a b c)で評価したうえで、着眼点それぞれの評価点の合計値、又は3つの評価結果の組み合わせで評価項目(「情報収集と活用」)の評価を決めるタイプです。総務省の「地方公共団体における人事評価システムのあり方に関する調査研究」(平成16年3月)にも類似の方式が事例として紹介されています。

  「着眼点列挙方式」は評価すべきポイントを絞った評価方式ですので、特定の行動を職員に求めたり、特定の行動を定着させたりする場合には有効な方法です。しかし、ご指摘のようにこの方式では着眼点以外の行動を評価したいと思っても評価することはできません。広く職員の行動や能力を評価したいのであれば、次のように変更することを考えてみてください。

1 評価項目や着眼点を増やす
2 評価項目や着眼点を評価者が追加(又は選択)できるようにする
3 一つの着眼点で評価できる範囲を広くする(具体的な行動に限定しすぎない)
4 着眼点単位には評価せずに(着眼点はあくまで重視する行動例とし)評価項目単位に評価する

 「着眼点列挙方式」は評価項目の定義などを知らなくても評価でき、初めて評価を行うにはわかりやすく簡便な方法だと思います。しかし、着眼点が限られているために、同じ課の職員であっても、担当している仕事に応じて、評価が有利になったり不利になったりします。行政分野や職種、職務の違いなどに応じて重視される行動や能力は異なりますから、その点に十分配慮し、ふさわしい着眼点に組み替えないとかえって不公正な評価になってしまう可能性があります。

 また、当然のことながら、上位の等級や上位の職であれば、求められる行動や能力も高度になってきますから、着眼点を組み替える必要があります。

 なお、「現在の方式を変更すべき」かどうかは、評価者の評価能力のレベルや評価の結果の利用目的などによると思います。評価される行動が明確ですから、特定の行動を職員に求め、職員の行動を変えるには良い方法ですし、初めての評価者でも評価しやすい方法です。
 ただし、ご指摘のように、着目すべき行動が具体的なゆえに、特定の職務や特定の秀でた行動が評価されない可能性があります。また常に着眼点の入れ換えなどのメンテナンスを行う必要があります。十分に考えてみてください。