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上司と部下の信頼関係が人事評価の納得性を支える

人事評価を進める上で最も重要なものは何か

私は職場の人間関係だと思います。特に評価の納得性や人材育成の観点から考えれば、上司と部下の信頼関係が大切です。

昔は、職員仲間の世代を超えたレクレーション活動が活発でした。職場のサークル活動も各種ありましたし、職場の上司と飲む機会も結構ありました。気心がわかり、信頼関係を築きやすかった。しかし今は、個人主義的傾向が強くなって、世代を超えて一緒に行動する機会が減っています。

また、仕事のスタイルも変わりパソコンを相手に仕事をする時間が増えています。業務によっては一日中パソコンに向かって仕事をする人もいる。職場全体の会話も減ってきています。

最も怖れるのは、職員がばらばらで、自分の仕事以外に興味を示さなくなったり、自分だけで対処しようとすること。人に相談しない、一人で仕事や悩みを抱え込む、といった孤立化です。

最近、誰かが見ていれば防げるはずのミスが起きたり、メンタルヘルスの必要性が指摘されたり、また不祥事が多くなってきていることも、職場の人間関係の変化がかかわってきているように思えてなりません。

人事評価は、部下一人ひとりの状況を把握して、成長をサポートする仕組みでもあります。私は人事評価を契機に上司と部下の関係をより良いものに変えてほしいと願っています。

そのためには、仕事ぶりを把握するだけでなく、上司と部下のコミュニケーションの改善に取り組むことが必要です。仕事をうまく進める話し合いの場を増やしたり、指摘や指導を行ったり、面談で部下の悩みに応じたり。すなわち、部下との接点をより望ましいものに変えてほしい。

かつて、自治体では、管理型のマネジメントが多かったように思います。部下に指示し仕事を任せる。上司は進捗状況をチェックし、問題が生じたときに上司は介入・対処する。

しかし今は、仕事にかかわる社会、法令その他の状況が激しく変わる時代になりました。また、住民のニーズも多様化していますし、現場では日々様々な課題に直面しそのつど対処しています。そうなると管理型マネジメントではやっていけない。 上司は部下と接触する回数を増やし、部下と日々話し合いながら(ときには部下全員と協議しながら)、仕事の方針や具体的な対処を決め、ともに行動していかなければならない時代になったのです。

信頼関係は、お互いのことをどれだけ知っているか、お互いの個性、考え方、行動、仕事に取り組む気持ちなど、どれだけ理解しあっているかにかかっています。自分の上司は仕事の状況についてよくわかってくれている、何でも話し合って仕事を進めることができる。そんな職場環境にあれば、部下は上司の考えを理解できるでしょうし、人事評価にも納得しやすい。

“率直にほめたり、叱ったりできる上司の部下は人事評価に納得しやすい”、と言われています。これは、フィードバック面談でのことではありません。日々部下と接触する中で、率直にほめたり、納得できる叱り方ができていれば、ということです。

上司が意識して信頼関係を築いていかないと、または、信頼関係を築けるよう上司のコミュニケーションを改善させないと、人事評価の納得性は得られません。