コラム

« 一次評価者と二次評価者、どちらが評価を決める? | コラムTopへ | 自己評価を意義あるものとするためには面談が必要です »

人事評価の導入に伴う昇任昇格基準の改定はしましたか?

人事評価の結果を昇任昇格に反映するには、昇任昇格の基準を改定する必要があります。

人事評価の結果を昇任昇格に結びつけて運用するということは、通常より早く昇任する者もいれば、通常より遅く昇任する者もいる、といった状況をつくることになりますので、実際には昇任昇格の対象となる者の満たすべき要件を見直すことが必要になります。 すなわち、早く昇任されるにはどのような要件を満たす必要があるのか、また、通常より遅い場合でも何を満たせば上にあがれるのか、などを明らかにしなければなりません。

通常、このような昇任昇格の満たすべき条件を「昇任昇格要件」とか「昇任昇格基準」と言い、規程に定めておきます。 ところが、人事評価制度を導入しているものの、昇任昇格の基準の改定まで行った自治体はさほど多くないよ うです。

これまでの地方公務員の昇任昇格は、一般職員については、経験年数によるほぼ年功的な運用が行われ、また、管理監督職については、一定の経験年数を条件とした上で、市長、副市長などの自治体幹部による選考によって決まる傾向が強かったようです。

もし、昇任昇格の基準を明確にせずに、”人事評価の結果も考慮します”といった程度にしてしまうと、これまでの「経験年数」や「選考」にプラスして考慮されるべきものが増えることになり、たとえそのこと自体は良いことであっても、職員からするとこれまでよりもさらに昇任昇格のルールが複雑で分かりにくいものとなります。せっかくがんばったのに評価の結果がどう活かされるのか分からないのですから、職員の不信感はむしろ拡大する可能性もあります。

主事から主任に上げる際には、最低必要経験年数を満たすだけでなく、人事評価がどのような成績であればよいのか、係長に任用する際には、経験年数、人事評価の結果のみでなく、監督職としての適任性をどう把握するか、面接試験の必要性はないかなど、昇任昇格制度全般についても再検討し、昇任昇格の仕組みの透明性を図ることが重要です。

「出世競争」という言葉があるように、だれが先に「出世」するか、職員はみな関心をもって見ています。少しでも恣意的な要素を感じると、人事に対する不信につながりかねません。

人事担当者が最も心がけるべきことは、公平公正な人事を確保することです。”ブラックボックス”を残しておくと、自治体幹部等によるさまざまな横槍を許すことにもなり、恣意的な人事が横行する可能性が高まります。その意味では人事担当者は公正な人事の番人になる必要があります。また、昇任昇格等の諸規定の明確化は理不尽な横槍に対する楯の役割(はね返す役割)をはたすことになるでしょう。