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人事評価の最大の特徴は”業務観察による評価”です。

 職員を評価する方法は人事評価だけではありません。例えば筆記試験も人材を評価する方法の一つです。筆記試験をすれば解答の状況から特定の能力の高さを判定することができます。同様に、面接試験や適性検査を実施したり、テーマを与えてプレゼンテーションをさせることで職員の能力その他を評価することもできます。

 しかし、人事評価の特徴は、業務観察という方法を用いている点にあります。

 人事評価は職員の”実際の仕事ぶり”を観察することによって、職員の能力の高さや行動の的確さ、仕事の出来などを評価します。ここで注意すべきことがあります。人事評価で観察の対象となる「実際の仕事ぶり」とは、被評価者が現在担当している業務の”仕事ぶり”です。したがって、人事評価は現在の担当業務でどうであったかという、限定された評価をしていることになるのです。

 人事評価では、評価対象期間を定めて「仕事ぶり」を観察・把握するのですが、人事評価では、この期間中に担当した業務で評価を行うことになります。担当しなかった業務の「仕事ぶり」は評価の対象になりません。したがって、かつて担当していた業務を思い浮かべて能力を高く(あるいは低く)評価してしまったり、他の部門での可能性も含めて評価してはいけません。実際に見ることの出来た担当業務の「仕事ぶり」を評価する必要があるのです。

 たとえば、建築士の資格を持っている職員が、どういうわけか福祉部門へ異動になったとします。そして福祉部門では建築・建設にかかわる仕事をしていないものとします。そうすると、彼の建築士としての能力は一切評価してはいけません。なぜなら、彼は建築の仕事ではなく福祉の仕事をしているのですから、福祉業務にかかわる行動、能力、成果が評価の対象になるからです。また、実際に建築の仕事をしていないのですから、彼の建築にかかわる能力の高さを判定しようにも材料がありません。

 また、人事評価は、表に現れない未発揮能力や潜在能力は評価しません。

 例を示すと、「チャレンジする能力はあるか」で評価するのではなく、「チャレンジしたか」で評価します。表に現れていない保有能力や潜在能力は目に見えませんから評価することはできません。無理にでも評価するとなれば、かつてあった過去の事実や推測で評価することになり、人事評価のルールに違反することになってしまいます。